レコーディングスタジオのNC値測定 | 防音工事なら日本防音

レコーディングスタジオ予定物件のNC値測定と防音計画 のプロセス

ビルのB-1にレコーディングスタジオを作りたいのだが1Fに機械駐車場があり車の方向転換をするための大きな円盤のドンドンという騒音と振動が防音工事で地下一階に漏れなく出来るかを音響調査してほしいとのご依頼例です。
大抵の音楽スタジオ防音対策はスタジオ内の爆音が外に漏れなくする計画なのですが、今案件は逆で外部の騒音が収録するマイクに入るか入らないかを音響調査で検討するという内容です。先ほど大きな円盤はビルの躯体に設置されておりますから地下一階にも固体を伝わって直接伝搬してきてしまいますのでやっかいです。
以下がその考察のプロセスです。

まずは、B-1での円盤騒音の測定結果をご覧下さい。大変低周波成分が強い事が分かります。
地下一階スタジオ予定地点騒音測定生データ
次に1FとB1で測定したデータを使用しつつD-50の防音を施工した場合のB-1室内のNC値をシミュレーションします。下図のオレンジのラインが1F円盤前の騒音データ、黒の点線がB-1での騒音データです。図の下部の右下がりの点線がNC値の定義線で図の上部のブルーのラインがD値の定義ラインです。D値とNC値のご説明をさせて頂きますと、D値とは防音性能の周波数ごとの遮音量を表しておりD-55とは500Hzで55dBの遮音量ですがそれより高い周波数では更に遮音量が上がりますが500Hzより低い周波数では遮音量がどんどん落ちるという事を表現しています。

NC値は人の耳にうるさく感じるレベルを周波数毎に表しており例えばレコーディングスタジオに求められるNC値は25〜20と言われておりますが、NC25では500Hzで25dBなのですがそれより高い周波数では耳の感度が上がり更に低い騒音レベレでも感じる、逆に500Hzより低い周波数では人の耳の感度がドンドン落ちて行きますよ、ということを表現した曲線です。
防音性能の防音室を建設した場合の防音室内のNC値予測図
図:1の解説 現状の空間にD-55の防音施工をした場合どの程度のNC値が得られるかというのが今調査の目的ですから 現状のB-1の騒音レベル(黒の点線)からD-55で得られる周波数毎の遮音量を緑色の下向きの矢印で表しておりそれで得られた点を薄い色のブルーの線で結んだラインが得られるであろう所のNC曲線という事に成ります。

結果としてほとんどの周波数でNC-15のラインを下回っておりますので、
D-55の防音施工をすれば十分な静粛性が得られるという調査結果と成りました。